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河川環境管理財団より助成を受けて実施した研究の成果が優秀研究成果として評価を受けました(2011/9/12)

 ゼミ教員の田中健路准教授を研究代表者として、平成22年度に河川環境管理財団より河川整備基金助成事業として助成を受けた研究「熊本県白川流域における流量と地下水涵養のための取水量との水バランスの適正化に関する研究」が、研究成果報告書の事後審査において、優秀研究成果として評価されました。
 本研究では、熊本大学在職時(当時:熊本大学大学院自然科学研究科環境共生工学専攻・助教)の平成22年4月に採択が決定し、熊本大学・川越保徳准教授と共同により行いました。研究内容は、熊本県白川中流域を対象として、①農業用水観測による、熊本県白川流域の流量と農業用水の取水量との関係、②農業用水の取水による地下水涵養効果、③流域規模の地下水循環と硝酸性窒素の物質動態、を解明し、地下水資源を含めた白川流域の適正な水バランスのあり方について、基礎的知見を取得することを目的として行いました。
 研究目的を達成するために、本研究では、①白川流流域での農業用水流量観測、②現地踏査に基づく土地利用調査、③表層土壌サンプル採取およびX線CTスキャナによる土壌微細構造の解析、④同位体分析・農業センサスデータ分析による硝酸性窒素の動態⑤地理情報システムを活用した数値シミュレーションを行いました。研究報告書では、これらの研究で得られた知見を基に、河川環境保全および整備の観点から地下水資源の安定的確保に向けた提言を行い、学術的・技術的な観点からの今後更に必要となる課題を述べています。①~③は研究代表者・田中が主として実施し、④は共同研究者の川越が主として実施した。⑤は田中・川越共同で実施しました。
 研究成果の内容について、10月27日に東京にて行われる、財団主催の講演会にて発表を行います。興味のある方のご聴講をお待ちしております。

気象学会秋季大会講演発表について(2011/9/12)


SFC-d02-2009-07-15_03-00.png2009年7月15日の対馬海峡での海面気圧(黒等値線)と気温25℃以下の冷気域(青色)。矢羽は地上風速(長矢羽:5m/s)を表す。気象モデルWRFを用いた計算結果の例
2011年11月16日~18日の3日間、名古屋大学にて日本気象学会秋季大会が行われます。今回の学会では、2009年7月15日に発生した潮位副振動(気象津波)における気象場の特徴として、梅雨前線の北側で発生した大規模な冷気外出流と対馬海峡南西側からの海面付近の暖かい湿った空気との合流によって発生した、大気の不安定波動について現時点での研究成果を発表します。講演プログラムは、気象学会の講演会のwebサイトに掲載されており、私の発表は大会3日目 11/18(金)の午後になります。

熊本県天草市崎津漁港で微気象観測を始めました。(2011/9/9) 


DSC00969.JPG熊本県天草市より許可をいただき、同市の崎津漁港の敷地内に気圧計と超音波風速計を用いた微気象観測システムを設置し、観測を始めました。設置作業は2011年9月5日午前に行い、約1時間半で作業を終えました。高所作業を伴うため、設置作業には地元の電気設備会社の野上電設様にお願いしました。
 観測システムの電源は、太陽光発電でまかないます。パネルの角度を45度前後に立てていますが、冬季の日照時間が短い時期に効率よく発電を行うためです。



DSC00961.JPG 超音波風速計とソーラーパネル・コントロールボックスを取り付けた後に、電源と測器の結線を行い、システムを起動しました。1秒間に10回という高頻度の気圧・風の観測データを取り、データ収録装置に挿入しているコンパクトフラッシュカードに測定データを保存しています。コンパクトフラッシュカード1枚で最長約半年間のデータを収めることができますが、1か月~2か月に1度の頻度で、現地を訪れ、機器の点検を行う予定です。