田中ゼミの主な研究内容
田中ゼミでは、気象及び気象に関連する様々な自然災害と対策をテーマとした研究を行っております。地上気象観測、数値予報モデルを用いたシミュレーション(気象だけでなく、海洋・河川解析も)、衛星観測データ、気候データセットを用いた解析、災害現地調査、室内・屋外模型実験など、現象解明から被害軽減策の考案まで幅広く取り組むことができます。
北広島町八幡地区における気温観測
広島県北西部に位置する北広島町八幡地区は、冬季には最低気温-10℃以下まで低下することがあると言われており、西日本でダイヤモンドダストが見られる数少ない地域の一つです。今年度(2025年度)より、機械情報工学科八房ゼミ・情報工学科大谷ゼミ・地球環境学科岡ゼミとの共同研究として観測を行います。
広島で急速に発達する降水システムに関する研究
平成26年(2014年)8月広島豪雨や平成30年(2018年)7月豪雨など、広島県では線状降水帯と呼ばれる局地的に非常に激しい雨をもたらす降水システムが発達し、洪水や土石災害による被害が頻繁に発生しています。局地的な地形による強制的な効果から、チベット高原・インド洋などを含む数1000kmスケールの大気循環まで、発達過程を多重規模で捉える研究を行っています。
台風の発達過程に関する研究
台風の発達段階で、対流バーストと呼ばれる、団塊状の積乱雲群が急速に発達する現象がみられることがあります。田中ゼミでは、静止気象衛星ひまわりの機動観測データを用いた雲の発達過程、客観解析データや数値気象予報モデルを用いた台風内部の大気の構造の解析を通じて、台風の発達の仕組みの詳細解明に向けた研究に取り組んでいます。
火山噴火時の大気波動に関する研究
噴煙の高さが15kmを超える大規模な火山噴火の際に、微小な気圧変化を伴う大気波動が広がり、地球上の海洋全体で潮位変化(火山性気象津波:volcanic meteotsunami)が発生することがあります。田中ゼミでは、火山噴火発生の際に生じる大気波動を静止気象衛星観測データから検出する手法の開発に取り組み、火山性気象津波の早期警戒手法の構築を目指しております。
気象現象に起因する海洋長波(気象津波)に関する研究
気象津波とは、地震によって発生する津波と同じ程度の周期を持つ海洋長波の一種です。日々の天気図では識別できないほどの微小な気圧の波によって、海面がわずかに変形し、気圧波の移動とともに海洋波が増幅し、最終的には1m以上の大きな波として港湾に入り、船舶の転覆や浸水被害を発生させることがあります。
田中ゼミでは、浸水被害などの現地調査をはじめ、現地気圧・潮位観測、気象衛星観測、数値気象予報データなどの様々なデータを活用し、現象の全容解明ならびに予測技術の開発に取り組んでいます。
大雨時の浸水低減策に関する研究
大雨によって発生する河川氾濫・内水氾濫被害の低減に向けた様々な具体策で予想される効果について、氾濫解析シミュレーターを活用して解析を行います。
地域住民の防災意識の変容に関する研究
繰り返される自然災害の教訓を基に、行政側は地域住民の主体的な防災行動を円滑に促進するため、ハザードマップの公開や、マイ・タイムライン、避難誘導アプリなどの様々な手段で情報提供を進めております。これらの取り組みを通じて、地域住民が自然災害に対する関心や事前の備えなど、自助・共助への意識向上にどの程度効果を及ぼしているのか、調査・研究を行います。
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