Kenji Tanaka Seminar's Web site (田中ゼミ) : GMT_basic

GMTを使った作図(初級編)

スクリプトファイルの作成

GMTは、Linux系環境(Cygwinを含む)ではbash, csh などのシェルスクリプトを端末上で、Windows ではバッチファイルをコマンドプロンプト上で動作して使います。ここでは、cshスクリプトの例を挙げます。

直線・曲線を書く ・・・psxyコマンド

まずは簡単なスクリプトから
以下の script1.csh と test1.dat を用意します。ファイルの中身は --- で挟まれた部分で、---線の行は含みません。
scrpit1.csh
---------------------------------------------------
#!/bin/csh
gmtset PAPER_MEDIA=a4+
psxy test1.dat -JX10c/10c -R0/1/0/1 -W1/0/0/0 -Ba1/a1 -P > test.eps
ps2raster test.eps -Tj
----------------------------------------------------
test1.dat
----------------------------------
0 0
1 1
----------------------------------
以上の二つのファイルを作図用のディレクトリ(例: /work/dir1) に置きます。
cygwin (Windows の場合)や端末を起動して、cdコマンドで作業場所に移動します。
cd /work/dir1
移動先のディレクトリで
csh script1.csh
と入力し、スクリプトを実行すると、test.eps ファイルと test.jpg (jpeg形式)ファイルが作成されます。

図1.jpg

スクリプトの中身ですが
1) gmtset コマンド: 作図で使用する書式の設定を行います。ここでは、PAPER_MEDIA パラメータを用いて、紙面のサイズを A4 用紙で、+記号でEPS形式(余分な余白をカットする)で出力するように変えています。
2) psxy コマンド : x-y プロットを作成します。ここでは、test1.dat に入っている点(0,0)と(1,1)を結ぶ直線を書いています。
 このコマンドで使われているオプションについて一つ一つ説明しましょう。
-J オプション : 座標系の設定。-JX で直交座標系を表します。
          10c/10cで軸のサイズを(横軸・縦軸の順)決めます。
          (図全体のサイズではありません)
座標系によって、与えるパラメータの種類が異なります。
-R オプション : 作図する領域の設定。0/1/0/1は 
         <横軸の最小値>/<横軸の最大値>/<縦軸の最小値>/<縦軸の最大値>
         を表しています。
-W オプション : 描画する線の設定を行います。
          基本的には、線の太さ, 線の色, 線の種類の順に設定します。
          -W1/0/0/0 の場合、太さが1 (=0.25ポイント) 、色が黒 (0/0/0)
          の実線を書きます。
-B オプション : 軸を書きます。a1/a1は 目盛ラベルを書く間隔 (それぞれ1ずつ)
-P オプション : 紙を横向きにします。(これを加えないと、通常は縦向きに図を書く)
他にも詳細設定を行うためのオプションはありますが、別途説明します。
 作図用のコマンドを実行すると、その結果がコンソール画面上に出てきます(標準出力)。EPS形式のファイルとして保存するために、末尾に > test.eps を書きます。
3) ps2raster コマンド : 作図によって生成される PS 形式・EPS形式のファイルを他の画像ファイルやPDFファイルに変換するコマンドです。 -T オプションを使って、画像形式を変えることができます。(-Tj で jpeg 形式に保存)

 GMT 4.4.x 以前では直線を書く際には、-M オプションを付ける必要がありましたが、バージョン 4.5 以降では、-M オプションが廃止となっています。